更新日: 2010-12-16 01:35:34

公益通報者保護法の読み方

著者: hosokawak

編集者: hosokawak

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はじめに

Photo by hosokawak

尖閣諸島近海での巡視船への中国漁船衝突を撮影したビデオが流出した問題で、「流出させた人は公益通報者保護法で守られるべき」という声があります。

公益通報者保護法は会社などに勤めている人であれば無関係とは言い切れない法律です。この機会に勉強してみましょう。

なお、筆者は法律の専門家ではありませんが、法治国家の国民が法律に接する基本的な方法として例示したいと思います。

STEP1

まず法律の条文に当たります。wikipediaを見たくなってもグッと我慢。

どこの誰が書いたか分からない掲示板やブログ上の説を信じる前に、まず法律の条文に目を通す。これが基本です。日本の憲法・法律・政令・勅令・府令・省令・規則は、総務省が提供する法令データ提供システム(http://law.e-gov.go.jp/ )で見ることができます。

http://law.e-gov.go.jp/announce/H16HO122.html

ちなみに、このように内容の真偽や妥当性を確認できるような根拠(ソース)を示しているのは良い情報です(自画自賛)。

STEP2

しかし法律の文は、慣れていないと分かりにくい! そこで信頼できる解説を探します。国が開設した「公益通報者保護制度ウェブサイト」は、なぜか厚生労働省ではなくて消費者庁サイトの中にありました。

http://www.caa.go.jp/seikatsu/koueki/index.html

その中に「通報・相談について」というページがあります。
http://www.caa.go.jp/seikatsu/koueki/tsuho-sodan/index.html

STEP3 私たちが知りたいのは2つ。

1.公益通報として保護されるのはどういう場合か(正しい通報になる対象)
2.どのように通報すれば保護されるのか(正しい通報の方法)

これを「公益通報者保護制度ウェブサイト」の「通報・相談について」で見ていきましょう。文末の()は法律の条文です。めんどくさいのは嫌いという方は「ポイント」へどうぞ。

まず通報の対象となるのは「「国民の生命、身体、財産等の保護にかかわる法律」として定められた413本の法律」で罰則が定められている違反行為です(第2条3)。(初めは是正勧告で済んでも、従わなければ最終的に罰則が適用される場合を含む。)

意外なことですが、セクハラは対象となっていません(いわゆる男女雇用均等法は対象法令ではなく、セクハラへの罰則もないから。但しだからといってセクハラに対抗する法的手段がないわけではありません)。

次に保護対象となる人ですが、労働者(派遣やアルバイトも含む)です(第2条1)。そして、勤務先で該当する不正が行われているか、すぐにでも行われそうなときに通報すると保護の対象になります(第2条1)。

通報先はどこでも良いわけではありません。まず勤務先の然るべき窓口(相談室や法務部門など)、次に権限のある行政機関(食品会社なら保健所のように管轄するお役所)、そして被害の拡大防止等のために必要と認められる事業者外部(報道機関、消費者団体など)の3つ(第2条1)。この順番で保護が認められる条件が厳しくなっていきます。

STEP4

公益通報として保護されるには適正な通報でなければなりません。

●事業者内部への通報の場合
不正な目的でないこと(第2条1)。他人を陥れるための虚偽通報は論外ですが、勘違いで通報した場合は保護の対象になるようです。

●行政機関への通報の場合
不正な目的でないことに加えて、通報内容が真実だと信じるだけの理由があることが要求されます。大した証拠もないのに「大変だー」と大騒ぎしたらダメということ。ただし条文の中にこの規定は見つけられません。法制局の解釈でしょうか。

●被害の拡大防止等のために必要と認められる事業者外部への通報の場合
不正な目的でないこと、通報内容を真実だと信じるだけの理由があることに加えて、5つ挙げられている理由の1つに該当すること。たとえば役所も巻き込んだ会社ぐるみの不正は報道機関に通報して構わない。しかし、ライバル会社への通報は保護の対象にならない(第2条1)。

まとめ

公益通報者保護法で保護されるのは次の5条件を満たした通報です。
1.【だれが】労働者(派遣・アルバイトも含む)が
2.【どこで】勤め先で起きている、あるいはすぐにでも起きそうな
3.【なにを】国民の生命、身体、財産その他の利益を損なうような行為について
4.【なんで】正当な目的のために
5.【どこへ】法務部門や監督官庁あるいは報道機関等にする通報

1つでも欠けたら無効です。

なお、「保護」というのは具体的には解雇や降格、減給などの不利益処分を受けないということです。

また通報にあたっては他人の正当な利益や公共の利益を害しないよう努力することが求められています(第8条)。正義だから何をしても良い、というわけではありません。


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著者名:
hosokawak

元酵素屋
元編集者
元生化若手の会関東支部年長組組長秘書
元フォーラムマネジャー(ニフティサーブ)
元ウェブマスター
元ネットワーク管理者
元...