更新日: 2012-06-06 17:34:37

「祈り」が脳に与える影響のポイント

著者: NO NAME

編集者: NO NAME

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はじめに

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「祈り」とは宗教的なものとばかり考えがちですが、実は脳にも大事なことなのです。人は何かあると祈ります。「祈り」でも利己的なものから世界平和を願うものまで多数あります。
今回は、脳科学から「祈り」を研究し、「祈り」から脳に与える影響をご紹介します。

STEP1 【「祈り」が脳に与える影響のポイント1】

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近年、fMRI(ファンクショナル磁気共鳴画像法)など測定機器の発達によって、脳科学の分野では多くの発見がありました。
そんな脳科学の最先端分野の研究結果をもとに、祈りについて考えてみたいと思います。

祈りと一言で言っても、その内容は千差万別です。ただ脳に与える影響で考えてみると、大きく2つに分けることができます。
それは「ネガティブな祈り」と「ポジティブな祈り」です。

嫌いな人に対して、何か悪いことが起きるようにと祈るのがネガティブな祈りです。
このような祈りは、脳に悪影響を与えることがわかっています。ネガティブな感情を持つときには、ストレス物質であるコルチゾールが分泌されます。
この物質が脳内で過剰に分泌されると、記憶に重要な役割を持つ「海馬」が萎縮してしまいます。

一方、ポジティブな祈りの場合は、ベータエンドルフィンやドーパミン、オキシトシンなど多幸感をもたらす脳内快感物質が分泌されます。これらは脳を活性化させ、体の免疫力を高めるなどの働きがわかっています。
ただ、ポジティブな祈りであっても、自分が「勝ちたい」と思うあまり「他人を蹴落としたい」という状態だと、アドレナリンやノルアドレナリンが分泌されることになります。これらは体を戦闘状態に置くためのホルモンです。
生物として生き残っていくために、戦って勝つということは大切ですが、常に戦闘状態にあるのは好ましくありません。

では、勝ちたいと思うときに、どのような祈りにすれば良いのでしょうか。
相手の失敗や不幸を願うのではなく、共に成長していこうという祈りが重要になります。

脳内物質のオキシトシンは、別名「愛情ホルモン」とも呼ばれます。大切な誰かのことを思う時(男女の区別なく)オキシトシンが分泌されます。つまり誰かのために祈ること、自分や他人ともの幸福を祈ることが、善い祈りになるのです。

STEP2 【「祈り」が脳に与える影響のポイント2】

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他人のために祈り、行動するというと、自己犠牲的な行動のように思えますが、生理学研究所(愛知県)の研究で「人間は利他の行動によって、大きな快感を得ているのではないか」ということが明らかにされつつあります。

私たちは、褒められたり、他者から評価されたりすると、大脳皮質の奥にある「報酬系(側坐核や腹側被蓋野など)」と呼ばれる部分が活動し、喜びや快感を覚えます。
さらに私たちの脳には、「社会脳」と呼ばれる、自分の行動を監視して「善いこと」「悪いこと」を判断している部分があります。内側前頭前野です。
この働きによって、他人の評価がなくても、善いことをしていると報酬系が活動するのです。

人間は、合理的に行動すると思われがちですが、そうとばかりはいえません。
一例をあげると「独裁者ゲーム」があります。A君とB君の2人がいてお金を分けることを考えます。A君だけが自由にお金を分配できる時、どのように行動するでしょうか。
合理的に考えると、10-0にするのが1番得です。しかし実際には8-2や7-3にしてしまうケースが多いのです。「いい人に思われたい」という機能が働いて、相手に「2」「3」を与えてしまうのです。
面白いことに、先進国で高学歴の人ほど、ずるい判断(合理的な判断)をする傾向があります。

確かに得をすることで幸福感を感じる機能が脳にはあります。しかし、合理的でない判断の中にも、幸福感は隠されているのです。
それらを忘れ、合理的な判断を優先させてきたところに、経済成長を遂げた日本の幸福度が低いことの原因があるように思えます。

STEP3 【「祈り」が脳に与える影響のポイント3】

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また、近年明らかにされてきたミラーニューロンの働きもあります。
ミラーニューロンは、もらい泣きやもらい笑いなど、いわゆる感情移入してしまう働きだと考えられています。これによって、共感が生まれ、相手を助けたいと思うようになるというのです。

個体として生き残りを考えると、ミラーニューロンは邪魔な働きでしかありません。しかし、種としての存続を考えると必要なことなのです。
猛獣に襲われた時、自分1人だけが生き残っても、種の存続はできません。集団で生き残るカギとなるのがミラーニューロンなのです。

人間が、食欲や睡眠欲を満たした時に快感を覚えるのは、それが生き残ることにつながっているからです。同じように、利他の行動によって快感を覚えるというのも、人間が集団で生き残ることに直結しているからなのです。どれも生き残りのために大切な仕組みです。バランスよく発揮させていくことが大切です。

何かあって祈る時は、ネガティブな祈りでストレスの元にせず、ポジティブな祈りで自分や他人の幸福を祈り、共に前向きに成長していくことが大事なのです。

まとめ

参考 「脳科学からみた祈り」 著者 中野信子

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