更新日: 2011-06-26 01:52:52

プロミュージシャンになる方法とその生活です!

著者: jb6113

編集者: jb6113

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はじめに

Photo by BFS Man

プロミュージシャン!なんて素敵な響きの職業でしょう!楽器を演奏した経験のある方なら一度は憧れた事があるのではないでしょうか?都内には数多くのミュージシャン養成学校があり、ここで一生懸命学べば誰でもがプロとしてデビュー出来るかの錯覚を覚えてしまいます。しかし、果してそうでしょうか?確かにミュージシャンと言う仕事は人に感動を与える素晴らしい職業ですが、成功するにはシビアな面も少なくありません。このガイドでは、このプロミュージシャンを目指す若い方々に、この仕事に関連する明と暗の部分の両面を生活面も含めて紹介したいと思います。

STEP1 【アマチュアからプロへ】

今現在プロミュージシャンとして活躍されている方々は、一体どういう段階を経て現在のポジションに到達されたのでしょうか?プロミュージシャンへの階段は様々です。ピアノやバイオリン等のクラシック系ミュージシャンは、幼少時代からのトレーニングを経て、音楽大学でオーケストラを経験し、多様な音楽理論を習得した後にプロへの道を歩み始める方が殆どです。一方のロックやポップス系のミュージシャンとは、そもそもバックグラウンドが異なります。アマチュアでギター、ベース、ドラムをプレーされてる方々は、最初に楽器を演奏したのは殆どが中~高校生の年代ではないでしょうか。昔なら、まずは友達との学園祭バンドでステージデビューの方々が多かったようですが、今でもそのステップは残っていますね。やがて高校を卒業して、ステップアップを目指すアマチュアミュージシャンの方は、より上手いバンド、上手いミュージシャンとの繋がりを模索しながら音楽活動を開始する事になります。

STEP2 【厳しい階段を一歩ずつ】

プロミュージシャンに求められるのは、勿論高い技術です。演奏テクニック、様々な曲にマッチ出来る幅広い表現力、仕事現場で向き合う譜面を正確に再現出来る対応力、等がプロの現場ではシビアに要求されます。これらを自分のものにするのには、当たり前ですが日々のトレーニングが不可欠です。昔(昭和の時代)は、個人のトレーニングはメトロノームを使った基礎練習とレコードコピーが主流でした。ちなみに個人のトレーニングですが、自宅での練習でも本番のステージやレコーディングを想定して、自分にプレッシャーをかけてプレーした方が後々の力になっていきます。今では考えられませんが、当時はレコードと自分の音をバランス良くヘッドフォンでモニター出来る環境さえなかなか作れなかったのです。その点、今はDTM機材も安価で入手可能だし、ネット環境さえあれば音楽を学ぶ教材には事欠きません。では、今の方がプロミュージシャンになるのは容易なのでしょうか?いえいえ、私の感覚では昔より今の方がプロになるのは遥かに困難なように感じています。最大の理由は、プロミュージシャンが必要とされる仕事が当時と比較して激減してる背景があります。昭和50年代は今と比べて演奏してお金を稼げる仕事が遥かに多かったのです。まずレコーディングは殆ど全ての音がミュージシャンがスタジオで演奏して制作されていました。アーティストのアルバムに限らず、ドラマや映画、番組で使用される音楽、CMに至るまで全てです。加えてテレビの歌番組が多かった事、様々な場所(地方のコンサートやイベント、ディスコ、キャバレー、ビアホール、ギャラの保障されたライブハウス)でバンドが求められていました。そして現代との最大の違いは、それらの殆どが生演奏のバンドだった事です。例えば、プロシンガーが地方で行う小さなライブステージでも、必ず小編成のバックバンドがセットでブッキングされていました。今はどうでしょう?歌番組は数えるほどです、生演奏のバンドが登場するディスコなどありません。レコーディングはもちろん、小規模なライブまで同期(いわゆる打ち込み)サウンドが多用されています。多数のミュージシャンが、コンピューターやシンセ音源にその仕事場を奪われているのが現状で、人並み優れた演奏力を持つミュージシャンのみが仕事のオファーを受けられるのが厳しい現実なのです。とは言え、ミュージシャンに限らずプロであるなら、どんな仕事でも厳しさは同じだと思いますが。

STEP3 【チャンス】

このガイドはプロミュージシャン(主にスタジオ、アーティストサポート)を目指すアマチュアの方々を念頭に書いています。皆様は様々な生活状況からプロミュージシャンになるべく、日々頑張っておられると思います。まだプロではない皆様が音楽に集中できる時間は、学生の方、アルバイトで自活されてる方等の生活環境によって相当の違いがある筈ですが、アルバイトに時間を相当取られる方が一概に不利とは言えません。私の知ってるプロミュージシャンの方々も、若い頃のある一時期は殆どの方がアルバイトしながらミュージシャンを目指していた時期があります。これはアメリカのメジャーシーンで活躍中の有名ミュージシャンでも同様です。マライヤ・キャリーがNY州ロングアイランドでの幼少時代に受けた醜い人種差別に耐え、ハイスクール卒業後、ウェイトレスなどをしながらチャンスを待っていたのは有名な話です。チャンスはぼんやり待っている人が嫌いです、努力を惜しまず貪欲に奪いに行く人にだけチャンスは微笑むようです。

STEP4 【したたかに前進する】

プロを目指してアマチュアシーンで頑張っている皆様は現在もバンド活動をされてると思います。頑張って続けて下さい。でも、いくら自宅で死ぬほど練習したとしても、音楽理論を完全にマスターしたとしても、それだけでは永遠にプロミュージシャンにはなれません。ミュージシャンはミュージックシーンの中で向上していきます。自分の努力で、よりよい音楽環境を作り出していく事が大切です。待っているのではなく、自分で作っていくのです。私の場合は後から考えられると、プロへの入口に導いてくれたのは結局アマチュア時代の優れたバンド仲間でした。あなたは今のバンドに満足していますか?もし不満なら、どんどんメンバーチェンジにトライして下さい。と同時に、自分のバンド以外のコネクションをどんどん増やしていって下さい。その繰り返しの中で、将来プロとして成功する可能性のあるミュージシャンがいるかも知れません。まずは、その将来有望ミュージシャン君に一緒にプレーしたいと思われるあなたになって下さい。その彼と一緒にバンドをやるようになったら頑張ってメジャーになれるよう活動して下さい。もちろん、その間、自分自身を高めるトレーニングをしながらです。そのバンド活動をしながらも、以前と同じく更にそのバンド以外のコネクションをどんどん増やしていって下さい。その繰り返しです。その繰り返しの中で、より自分自身を成長させる音楽環境を作っていきましょう。その過程で素晴らしいミュージシャンとの出会いがあるはずです、収入に繋がる音楽関係者との出会いもあるはずです。自分を高めながら、よりよいコネクションを自分の力で作っていく。これはプロミュージシャンとして一生求められる姿勢なのです。

STEP5 【プロミュージシャン、そのピン】

ミュージシャンとしての成功とは一体何でしょう?私はプロミュージシャンの成功とは、一時的に華やかなステージに立つ事ではなく、音楽の仕事のみで生活して行ける収入を一生を通じて継続的に得る事だと考えています。あくまで一例ですが、ギャランティーについて少し。トップクラスのスタジオミュージシャなら、《44,444円/1時間》以上のレコーディングギャラでオファーがきます。メジャーなシンガーのツアーサポートメンバー達は《88,888円/1ステージ》以上のギャランティーで仕事をしています。リハーサルギャラは本番ステージの半額が通例ですね。同じ数字が並ぶのは支払い額の1割を源泉徴収されるからで、翌年の確定申告で相当還付されるケースがありますね。このクラスのギャラの支払いは月末締め翌月末に銀行振込みが多いようです。ツアーでは、移動に関しての交通費、地方での宿泊費、拘束時間内の食事等は事務所から提供されます。一般的なツアーでは大体14―15時位に会場入り、リハーサル迄にローディースタッフがセッティングを完了してくれていて、終了後も手持ち楽器以外はローディーが撤収してくれます。と、ここ迄はピンキリのピンの世界の話です。

STEP6 【プロミュージシャン、そのキリ】

キリの場合は都内ライブハウスや他の現場で、1ステージ、1万円クラスの仕事があったりします。こういう場合は源泉徴収されず、実質1万円が支給されますが交通費、食事代は自己負担になります。例えば、どうしても楽器運搬の為に車移動する場合でもガソリン代、高速代、場所によっては駐車場代も負担分に加算されてしまい、差し引き数千円の収入にしかならないケースが多いようです。こう言う仕事は別枠でリハーサルは行わず、当日リハが殆どです。皮肉なもので、大きな仕事よりもこう言う現場の方が譜面資料の前渡しがなく、初見の読譜力がシビアに要求されます。必要なら楽器セッティングも自分で行います。前述のピンの仕事と比較して有り難いのは、ギャラの支払いが当日払いが殆どだという事でしょうか。とにかく、どんな現場でも全力投球で頑張るしかありません。このステップタイトルで『キリ』と書きましたが間違いでした。本当の『キリ』は仕事がない事です。

STEP7 【プロミュージシャン、収入の現実】

ミュージシャンはいわゆる自営業ですから、言うまでもなく最低賃金保障もありません。個人のミュージシャンとしての楽器関連の維持費、購入費の負担も避けて通れません。寂しい話ですが、収入が減少してくると友人のライブに誘われても遠慮がちになり、せっかく作ってきたコネクションも薄くなっていきます。ダウンのスパイラルです。夢のある若い世代の方々に現実的な話をするとお節介ぽくなりますが、あえて実情を知って頂いてモチベーションに繋げて欲しいと思います。
一口に収入と言いますが、職種によって同一条件で比較しないと全く意味がありません。私の感覚では同じ月収30万円でも、ミュージシャンのそれはサラリーマンの方の給料の半分位の認識です。お勤めの方のいわゆる『お給料』は手取り額で伝えられる事が多く、手取り額が算出される前に社会保険、国民年金等が天引きされています。加えて、お勤めの方は住宅手当、家族手当、交通費、残業費等が支給され、仕事に直接関係する経費は全て会社負担です。さて、ミュージシャンはどうでしょう?前述したように経費は殆どが自己負担で、国民保険、国民年金は支払い後に自己支払いになります。つまり、ギャラの振込み額はイコール所得ではなく、個人商店に例えると売上げなんです。昨今の状況では一概には言えませんが、サラリーマンには年2回のボーナス、年ごとのベースアップがあります。先程、月収の一例として30万円と書きましたが、この数字はフリーのミュージシャンの月収としては、かなり稼いでる数字だと思います。ミュージシャンと言う不安定な仕事のリスクは皆さんも理解されてるとは思いますが、一生の職業として選ぶなら他の職種との現実的な落差はしっかりと把握された方が賢明だと思います。私は皆さんを応援したいと考えています、だからこそ現実を見て欲しいと思うんです。『好きな事をやるんだから、他の事はどうでもいいぜぃ!イェーイ!』みたいなノリは私自身の若い頃にもありました。でも他の事ではありません、自分の事です。自虐ノリはやめましょう。

STEP8 【エンディングです】

長々と親戚の叔父さんみたいな細かい事を書きました。『若い時はそんな面倒臭い事なんか関係ないし!』との声が聞こえてきそうです。そうです、若い時は関係ないんです。でも自分で思っているより、若い時はアッという間に過ぎていきます。若い時には関係なかった事が、次第に関係有りに変わってきます。人間は足枷が多くなると、前進するエネルギーが次第に衰えてくるものです。プロスポーツの世界でも同じだと思いますが、結局はハングリーさを失わずに必死に努力を続けた人が生き残る世界です。尊敬に値するミュージシャンだけが生き残れる世界なんです。私は1番最初のタイトルに『プロミュージシャンになる方法』と書きましたが、残念ながら安易なノウハウはありません。プロミュージャンを志す若い皆さん、頑張って夢を実現させて下さい。

まとめ

夢を追いかけて生きることは素晴らしい事です。
でも、追いかけ続けることは困難の連続です。
頑張り続けることだけが答えです。

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すたあさんのコメント

2013/07/15 11:08:50

ありがとうございます!なんか勇気づけられました。

当ガイドは作成日時点での情報です。ガイド内容の実施はご自身の責任の元、ご利用いただきますようお願いいたします。

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