更新日: 2011-07-20 14:21:13

宮沢賢治

著者: ebmnbm

編集者: tenjin1900

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はじめに

宮沢賢治と私

 私がここに描こうと思っていることは、文学のみに、留まらないであろう。私は、彼の生家をよく、知っているわけでもないし、特に興味も、沸かなかった。私は、彼の作品に、触れている時のみ、彼の天才的な造詣技術を悟るのである。とかく、評論者とは、文学者の態度を、文学的表面からのみ、捉えようとする。しかし、これは浅はかな考えである。いみじくも、精神科医のクレッチマーが述べたように、その時に、我々は生物学的側面から、その人物を捉える必要があるのである。
 

STEP1

 さて、岩手県の風土が、彼を育てたという、謬見がまかり通っているのは、真に残念な事である。
詩人は、たとえ、崩れ落ちそうなあばら家にいる時ですら、内的衝動のおかげで、見事な詩を書く。これは、宮沢賢治にも、言えることである。彼の場合には、精神医学的に述べて、双曲線障害が深く、関係している。彼は、しばしば、短編小説を一日のうちに、書き上げている。これは、常人には測り難い世界である。なんにせよ、私自身もその病の最中、彼の作品に触れ、言い表せないほどの感慨を得たものである。私としては、彼の作品に刻印されている、重要なものはその文体と、独創性であると思う。
例えば、「セロ弾きのゴーシュ」において、彼は、数多の動物を登場させている。その中でも、際立った存在であるゴーシュは、時に動物たちを嘲り、彼らを憐憫の情の眼差しで見ている。精神的に、凋落したゴーシュは、動物たちをいじめる事に夢中になると共に、自己の存在意義を知らず、知らずの内に、感得してゆく。動物たちが、様々な要求をする中で、彼は、それに答える振りをし、セロを一生懸命に弾く。その音は、ひどく、動物たちは、すぐに退散してしまう。だが、最終的には、彼の努力は、報いられ、演奏会において、彼は大成功をおさめるのである。
また、「猫の事務所」においては、人間世界の不条理を童話的に示唆している。かま猫は、始終、寒がりで、かまに入っているために、体が真っ黒である。けれども、努力の末に、がんばって、猫の事務所の四番書記という地位を得る。しかし、同僚の猫たちからの、嫌がらせや、体調不良が重なって、最後には、とうとう、事務所の一番えらい黒猫にすら、嫌われてしまうのである。みんながいじめる中で、一人かま猫は、泣いていた。そして、獅子が猫の事務所を覗き、こう言う。「こんな、事務所など、解散してしまえ!」と。
 これらの文芸作品から、推測するに、彼の才能は天賦の才であり、決して、まねしたりできるものではない。もちろん、彼の全作品を通観する中で、明らかに気乗りしない時に、書いた作品もある。だが、これは所詮、弘法も筆の誤りに過ぎない。彼独特の、書き方、美術の言葉を借りれば、マニュエールは、すばらしいものである。それは、まさしく人間の限界に迫る勢いを伴った荒波として、永遠に我々の心にしみわたるだろう。

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