更新日: 2011-12-29 09:26:11

住宅の「構造=木造、鉄骨、鉄筋コンクリート」の比較

著者: psytex

編集者: psytex

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はじめに

Photo by t.ohashi

家を建てる時に、プランは検討するけど、構造は専門家まかせになっていませんか?
建設会社は利益率の高い工法を勧め、設計事務所はかっこいいデザインのできる工法を勧めて、必ずしも住む人の快適性や経済性を考えてはくれません。
彼らの能力を上手に活用するためにも、いろんな選択肢を身につける必要があります。
素人が最も分かりにくい構造の話から、家づくりの賢い選択をお教えします。

STEP1

Photo by psytex

家を建てる時の材料には、大きく分けて「木造」「鉄骨」「鉄筋コンクリート」の3つがあります。
「他にも『ツーバイフォー』だの『ALC』だの、訳の分からないものがいっぱいあるじゃないか!」と言われるかも知れませんが、「ツーバイフォー」は木造の一種、「ALC」は発泡コンクリートパネルのことで、時に「XXコンクリートパネル」などと宣伝していても、構造体は鉄骨造か木造なのです。

たとえば「ツーバイフォー」と聞くと、何か最新の優れた工法のように思えますが、これまでの伝統的な木造なら、柱の間に壁板を止めるために立てる細い「間柱(まばしら)」に、厚いベニヤ板を張って補強することで、柱なしで済ませている、ある意味リスクの高い工法なのです。
確かにベニヤ板で突っ張っているので地震には強いが、火事になったり湿気で腐ったりした時の強度低下は著しく、日本のような環境での耐久性には疑問が残ります。

「木は腐るけど、鉄は強いだろう!」とお考えかも知れません。
しかし、ビルや橋などに使われているH型鋼などの分厚い鉄の構造材(重量鉄骨)と違い、住宅規模の建物に使われているのは、「軽量鉄骨」といって、薄い鉄板を折り曲げて強度をもたせたものなのです。
実は軽量鉄骨は、火事にあった時には、木造より早くグニャリと曲がるし、錆びた時の強度の低下も著しく、決して木造より耐久性があるとは言えないものなのです。

STEP2

Photo by psytex

とはいえ、住宅規模での坪(3.3㎡)単価でいうと、木造が30~60万円、鉄骨が40~80万円なのに対し、鉄筋コンクリート造は60~100万円と、大きな開きがあります。
ここで考えるべきは「ライフサイクル・コスト(一生の間にかかる費用)」です。
鉄筋コンクリート造でも、特に住宅規模においては壁式構造(厚いコンクリートの壁で箱状の構造体にする)が可能であり、圧倒的な強度と耐久性を発揮するのです。

昨今は、木造でも「2百年住宅」を標榜するものがでてきてますが、よく内容を見ると「古くなった部材をどんどん交換すると2百年持ちます」という話で、本当に2百年持つとは言い難いものです。
鉄筋コンクリート壁式構造は、過去の大地震でも1棟も倒壊していない最強の構造であり、地震につきものの火災に対しても最高の耐火性を誇っています。
「2百年住宅」と言うからには、その間に起きるであろう災害に対しても耐えられねば、意味がないでしょう。
実際、百年以上前に明治時代に造られた、日本最古の鉄筋コンクリート造の1つである小樽港の防波堤は、厳しい北の荒波に耐えていまだに現役である=メンテナンスフリーで2百年もつ鉄筋コンクリート壁式構造こそ、真の「2百年住宅」だと言えます。

STEP3

木造や軽量鉄骨造の平均耐用年数は30数年であり、その数倍以上もつ鉄筋コンクリート壁式構造は、たとえ値段が倍でも、人生全体を通算した費用を考えた「ライフサイクルコスト」の考えからすると、半額以下のお買い得だと言えるのです。
まして、鉄筋コンクリート壁式構造は、建物全体が現場で型枠に流し込まれたコンクリートで一体のものですので、気密性が高く省エネ性能も抜群で、ランニングコストの節約にもなります。
問題は価格だけですが、最近はくり返し使えるFRP型枠を使った、リーズナブルな坪単価の鉄筋コンクリート工法もできています。出来合いの型枠を使うので、デザイン的にはマッチ箱のようになるという問題はありますが、それさえガマンすれば、地震や火事も恐れない安心の住まいを実現できます。

まとめ

【特集】失敗しない住まい探し-OKGuide

メールで問合せがあったので、ここでお答えしておきます。
ここで触れている「壁式鉄筋コンクリート造=WRC造」と、今、被災地で着工数を伸ばしているらしい「WPC造=壁式プレキャストコンクリート造(大成パルコンやレスコハウス)」はどう違うか、という内容でした。

1.「プレキャスト」とは、工場で鉄筋コンクリートパネルを造り、それを現場でボルトでつないだり、ジョイントの所に鉄筋を差してモルタルを注入したりして一体化したものです。

2.これは、建築基準法上の「壁式鉄筋コンクリート造」ではなく、実験などを経て個別に国交省の認定を取得したもので、その結果として、汎用性があるゆえに余力のあった壁式鉄筋コンクリート造のメリットは失われています。

3.本来、壁式鉄筋コンクリート造は現場でコンクリートを打設するために建物全体が同じ強度で箱状の構造体を形成するところ、プレキャスト工法では、鉄筋コンクリートのパネルをつなぐのは点々と締められたボルトだけで、ジョイントに差す鉄筋はすき間をふさぐ目的であり、完全な「一体の構造」ではありません。

4.また、個別に型式認定を取ったために、ギリギリまで壁を薄くでき、本サイトで取り上げた壁式鉄筋コンクリート造だと18cmある壁厚が、10~12cmほどしかありません。
鉄筋がパネル毎に途切れている上に、壁も薄いのですから、もはや壁式鉄筋コンクリート造と同列に語れる構造ではなくなっています。

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ブータンに3年、ケニアに2年、ソロモン諸島に1年半など、アフリカ、アジア、南太平洋を中心に、のべ8年の海外暮らしをしました。
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